胃炎
(慢性胃炎・萎縮性胃炎)

胃炎について

胃炎について

胃炎にはいくつかの種類がありますが、症状を自覚できないケース、強く現れないケースも少なくありません。
中でも萎縮性胃炎については、放置していると胃がんへと進行することがあり、注意が必要です。

胃炎の種類

急性胃炎

暴飲暴食やストレスなどを原因として、胃の粘膜に急激な炎症が起こります。
胃やみぞおちの痛み、胃もたれなどの症状を伴います。比較的短期間で治ります。

慢性胃炎

主にピロリ菌感染を原因として発症します。
胃やみぞおちの痛み、胃もたれ、吐き気、胸やけなどの症状を伴います。

萎縮性胃炎

慢性胃炎が長引き、胃粘膜が荒廃し萎縮してしまった状態です。萎縮性胃炎の進行に伴い、胃がんのリスクが高まることがわかっています。萎縮性胃炎がどの程度広がっているかが重要になります。
萎縮性胃炎のある方は、除菌後であっても胃がんのリスクがあるため定期的な胃カメラ検査が必要です。

神経性胃炎

主にストレス・過労などを原因として自律神経が乱れ、過剰な胃酸の分泌によって起こる胃炎です。
胃やみぞおちの痛み、胸やけ、のどのつかえる感じなどの症状が見られます。

急性・慢性(萎縮性)胃炎の症状

急性胃炎の症状

  • 胃やみぞおちの痛み
  • 胃もたれ
  • 吐き気、嘔吐
  • 腹部不快感
  • 膨満感
  • 下血 など

慢性胃炎(萎縮性胃炎)の症状

  • 胃やみぞおちの痛み
  • 胃もたれ
  • 吐き気
  • 胸やけ
  • 膨満感
  • 食欲不振
  • 胃が重い感じ など

該当する症状がある場合は早めの受診を

  • 胃の症状が1カ月以上続く
  • 胃やみぞおちの痛みに加え発熱がある
  • 市販の胃薬を飲んでいるが症状が改善しない
  • 市販の胃薬で一旦改善したが、症状を繰り返す
  • 吐血、下血、黒い便があった
  • 嘔吐を繰り返している
  • 突然の激しい胃の痛み

胃炎の原因

急性胃炎

急性胃炎

急性胃炎

暴飲暴食

食べ過ぎ、飲み過ぎ、刺激物の摂り過ぎなどを原因とすることがもっとも多くなります。

ストレス

過度なストレスによって自律神経が乱れ、過剰な胃酸の分泌によって胃炎が起こることもあります(神経性胃炎)。

慢性胃炎

ピロリ菌感染

慢性胃炎の80%以上が、ピロリ菌の持続的な感染と言われています。
幼少期に感染したピロリ菌が胃に住み着き、数十年にわたり胃に炎症を起こし続けます。この慢性炎症が胃がんの最大の原因です。

萎縮性胃炎

慢性胃炎の放置

胃炎が長期に及ぶと、炎症によって胃の粘膜が荒廃し萎縮します。

慢性胃炎を放置すると
「胃がん」を発症!?

慢性胃炎を放置していると、胃の粘膜が萎縮する萎縮性胃炎になります。
そしてさらに放置していると、粘膜が腸の粘膜のように変性し(腸上皮化生)、そのうちの一部はがん化します。
慢性胃炎・萎縮性胃炎のある方は、たとえピロリ菌除菌治療を行った後でも胃がんのリスクが高いため、定期的な内視鏡検査による胃がんの早期発見が最も重要となります。また慢性胃炎のほとんどはピロリ菌感染を原因とすることから、ピロリ菌の検査・除菌治療を受けることも大切です。

胃炎の検査

胃炎の検査

食事、服用中の薬、既往歴などについてお伺いした上で、必要に応じて胃カメラ検査を行います。
いずれの胃炎、またピロリ菌感染についても、胃カメラ検査による診断が可能です。内視鏡専門医による苦痛の少ない胃カメラ検査を行いますので、ご安心ください。

胃カメラ検査
(胃内視鏡検査)の
詳細はこちらへ

胃炎の治療

主な治療法をご紹介します。

薬物療法

胃酸の分泌を抑制する薬、胃の粘膜を保護する薬などを使用します。

ピロリ菌の除菌治療

胃カメラ検査で慢性胃炎、ピロリ菌感染が認められた場合には、ピロリ菌の除菌治療を行います。
慢性胃炎の改善や、胃がんのリスクを下げるためにも大切な治療です。

詳細はこちらへ

生活習慣の改善

暴飲暴食などが原因になっている場合など、生活習慣の改善のための指導を行います。

ピロリ菌は除菌後も、
再発する場合がある!?

ピロリ菌は、ある程度免疫が発達する年齢である6歳以上の人には感染しないと言われています。
一般的にピロリ菌検査は成人以降に行われるものであるため、ピロリ菌検査で陽性になった後、除菌治療に成功したのであれば、再度感染することはありません。
除菌治療に成功すると、さらなる胃がんのリスク上昇は抑えられますが、これまでの慢性炎症の蓄積が解消されるわけではないため胃がんや胃の病気のリスクは、ピロリ菌に感染していない方と比較すると高いままです。定期的な胃カメラ検査などで病気の早期発見・早期治療に努めましょう。